« Back Street Crawler: Second Street | main | Billie Holiday: Lady in Satin »

June 03, 2006

●上田 正樹と有山 淳司: ぼちぼちいこか

MasakiUeda_bochibochi.jpg

上田 正樹 (vo)
有山 淳司 (vo, g)
中西 康晴 (p)
藤井 裕 (b)
金子 マリ(chorus)
妹尾 隆一郎 (harm)

 昔から、音楽やオーディオなど興味のある分野については、関連する雑誌のほとんどに目を通すのが習慣になっている。特に音楽は、ミーハーなものを除けば、小学生の頃から主要な雑誌はほとんど見ているような気がする。最も、最近ではミーハーなものが多いので、手にする雑誌は限られたものとなってきている。

 このアルバムが発売された頃、今は廃刊になってしまった『新譜ジャーナル』や『Guts』といった雑誌に紹介されていたのは覚えている。当時は、アルバムの中から1-2曲、楽譜か歌詞プラスコード進行などが載っていることが多かった。たしか、「俺の借金、全部でなんぼや」という曲がのっていたように記憶しているが、歌詞だけを読むと完全なおちゃらけで、コミックバンドにしか思えず、聴いてみたいと思うこともなく忘れ去っていた。 
 そうこうしているうちに、気がつけば月日は流れ、上田正樹の名前は「悲しい色やね」の大ヒットで再び目にするようになった。おりしもAORブームが起こっていた時代ということもあり、都会的な大人の雰囲気のシンガーというイメージが、自分の中に植えつけられていった。

 ずっと忘れ去っていたアルバムを聴いてみようと思ったのは、有山淳司のギタープレイに関心があったからだ。少し泥臭いスタイルで、どんなギターを手にしても自分の音にしてしまう彼の演奏をたまたま見て、昔のものも聞いてみたくなったのだ。上田正樹の声も好きだったので、本作を手にしたのは自然の流れだった。
 「しまったぁ! もっと昔からちゃんと聴いておくんだったぁ」というのが最初の感想。確かに歌詞はコミカルな内容が多いが、演奏は素晴らしいし、コーラスもばっちり決まっている。何よりも、関西弁が実にブルースなどのスタイルにマッチしていて、ノリがよく、日本語の歌詞とは思えないほど。うまい人たちが、遊びの要素を持って楽しみつつ音楽をやっているのがなんともかっこよい。

 残念ながら、現在はこのCDは入手が難しくなっているようである。中古屋でリーズナブルな値段のものを見かけたらぜひとも手に入れてほしい。まだ、知らないうちに再発売となることも多々あるので、チェックをしておきたい。
 この時代で、ブルースの香りのする音楽を聴くのであれば、関西をベースに活動していた人たちのものは、絶対にはずせない。

 

コメント

大学時代にバイト先のレンタルレコード屋で発見し、さっそく店内でかけてみたのですがその後仕事になりませんでした笑。あまりに気に入ってこればかりかけていたのが原因なのかなぜかクビになってしまいました。恨むべき1枚です、LP持ってますが笑。

>いちろさん
いらっしゃいませ。

いやぁ、仕事中にこのアルバムはまずいでしょう。そりゃ、ついつい聞き入ってしまって爆笑となり、仕事に身が入るわけがありません。

どの曲も、歌詞をじっくり聴けば聞くほど楽しめますからね、このアルバムは。

ブログ、拝見させていただきました。
小生と趣きが一致しており、今後応援させていただきます。

これの他にスネークマンショーとかね、クビもさもありなんです笑。他のバイトたちともすごい温度差でした。

あの言葉をリズムに乗せるセンスはすごいですよね。こういう音楽を聴くと,関西文化がとってもうらやましくなります。

>SEAGULLさん
いらっしゃいませ。
思いっきり趣味に走っていますが、応援よろしくお願いします。

>いちろさん
いらっしゃいませ。
そりゃ、いけませんは。仕事にならんでしょう。ただ、スネークマンショーは、ギャグのセンスでいうと、関西よりは関東という雰囲気でしたが、いかがでしょうか。
温度差を保っていたというほかのバイトさんたちは、関西人にあるまじき姿ですな。

>minaさん
いらっしゃいませ。
いやはや、本当に関西弁は日本語じゃないんじゃないかって思ってしまいます。コーラスも含めたボーカル人のノリがいいのも効いていますね。

細かいことかもしれませんが、上田正樹は「関西弁」ですが、「大阪弁」ではありません。「京都弁」なんです。その昔、沢田研二といっしょに“遊んだ”という間柄。
「サウス・トゥ・サウス」でオーティス・レディングのカバーを生で何度も見たわたしとしては、「悲しい色やね」は違和感があります。悪い歌ではないけど……。
有山淳司のギターは昔も今もワン・アンド・オンリーで、シンプルなフレーズでもノリがすごい。このアルバムでも「梅田から難波まで」なんて、ギターだけで絶対にマネのできない世界を作り上げています。

>Nozomiさん
いらっしゃいませ。
確かに、関西の中でも、言葉は細かく違いますね。言葉が違うということは、文化も違うということだと思います。関西には4年いましたが、大阪弁、京都弁、河内弁などは、特徴的な表現なら違いがかろうじてわかりますが、やはり、ちゃんと聞き分けるのは無理がありますね。

有山さんは、どんな楽器を弾いても自分の音にしてしまうところがすごいです。こういう人にかかると、音を変えて楽器を作ることも意味がなくなってしまいそうです・・・。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)